– from atelier –
ものづくりのうらがわ。
今回は冬のニット ”CHESS” にまつわるお話をお届けします。
袖を通した瞬間ほっとする・・・心まで温かくなるやわらかな肌ざわり
明るい色でも深みのある色、なんだろうこの肌なじみの良さ・・・
冬のニットの素材 ”CHESS” は、
古くからウール産業の盛んな泉州にある世界トップレベルの
カシミヤ紡績で有名な東洋紡糸工業(株)で誕生しました。
今回の ”FROM ATELIER” は1879年創業の
東洋紡糸の ”CHESS” が長年愛されるひみつをご紹介します。
”日本紡績業のパイオニア東洋紡糸”
東洋紡糸の始まりは1879年、水車を利用した紡績工場を明治11年に着工しました。
戦前からカシミヤを扱った日本紡績業のパイオニア東洋紡糸は、
世界の大手カシミヤ紡績メーカーで
構成されるCCMI(カシミヤ・キャメルヘア工業会)に加盟しており、
徹底した品質管理のもと、その熟練の技術が育まれました。
品質の高い糸を作るために・・・・
糸の太さによって、使用する繊維原料の長さと細さを
妥協なく選定・他社と比較して1 〜 2グレードの高い原料の買い付け・
原料産地を指定した買い付け・他社と比較し特に厳しい基準を設けた品質規格に基づいた
念入りなチェック体制現地では東洋紡糸に原料を買ってもらうことは
最高品質のあかしであると誇りにされるほど・・・
”深みある色のひみつ”
同じ様に染色しても同じ色にはならない、
そう、羊やカシミヤヤギだって人と同じ、毛質や色にも個人差があります。
約7000色もの色見本とデータを保有しその中から経験豊富な「職人の技」を活かして、
その原毛の色合いを見て3 〜 7 色の複数色を選び目指す色を表現する染料選定を行います。
3 〜 7 色をそれぞれ綿の状態で染色し、
それを目指す色になる様に混ぜて一つの色を作り出します。
一見一色に見える色も3 〜 7 色から作られたから深みのある色が仕上がります。
これが深みの色のひみつ、肌なじみの良さのわけ。
”均整のとれた糸作り”
テクノロジー化が加速し、あらゆるものが機械化された現代。
多くがAI 化している中、驚くほど原始的な紡績を継承している、
それが世界トップレベルの紡績メーカー東洋紡糸。
四季が美しい日本では寒暖差も湿度の差もあり、品質を保つのも一苦労。
繊細な気温や湿度の差は機械では対応できません、
東洋紡績では職人が厳選された素材の水分量や油分を身体で覚え、
繊細な変化にも対応し安定した品質を作り上げています。
仕事はまず手で品質を覚えることから始めるそうです。
さらにデリケートな繊維の紡績は難易度も高く、
機械設備の改良や工夫を施さなければなりません。
繊維に合わせた独自の機械仕様、独自の専用油剤を調達しています。
一定量を計りながらカード機と呼ばれる紡績機に3回も通し、
さらに4時間かけてミュール機で撚りをかけ1つの糸に仕上げます。
こうした原料から糸を撚るところまで職人の繊細な感覚で丁寧に紡績することで、
真っ直ぐな糸・目面の綺麗な糸ができるのです。
ラエフのCHESSは17.5マイクロンというカシミヤに近い細さで、
繊維長の長いジロンラムを使用。
なめらかなタイプとソフトで膨らみのあるタイプの2種類の繊維を
バランスよく混ぜ合わせることで、肌触りが良さとふんわりとした軽さが両立されています。
CHESS のように細い紡毛の紡績はとても高度な技が必要。
東洋紡糸だから作れる糸です。
ハイゲージにこだわって編み上げることで絶妙な厚みと膨らみがあり、
体をやさしく包み込んでくれます。
そう・・・これが東洋紡糸こだわりの ”深みのある色・均整のとれた糸 CHESS” のひみつ・・・
体をやさしく包み込んでくれる ”CHESS”
ぜひ体感してみてください。